「移住者に選ばれる」ための逆転の発想とは?糸魚川で見つけた、地域が気づいていない「本当の価値」ーCatalo Lab Vol.07 開催レポート

イベントレポート

糸魚川ビジネス共創拠点Cataloでは、経営とまちづくりが交わる実践型オープンゼミ「Catalo Lab」を毎月開催しています。

Catalo Labは、ゲストの話を聞くだけでなく、参加者同士が対話やワークを通じて学びを深める場です。地域内外で活躍する実践者をゲストに迎え、多様な視点や経験に触れ、新たな発見につながる機会を創出。
単に学んで終わるのではなく、一人ひとりが「明日できること」を一つ持ち帰り、小さくても具体的な行動へとつなげられる時間を大切にしています。

そこで生まれたアイデアや知識を実践へと結び付け、地域や事業における新たな挑戦や共創が生まれるきっかけに。

「移住者に選ばれるまち」とは? 地域の魅力を改めて考える時間に

5月28日にCatalo Lab Vol.07を開催しました。

今回のCatalo Labには、地域活性化の最前線で活躍する、きら星株式会社 代表取締役の伊藤 綾さんをゲストにお迎えしました。

伊藤さんは1985年生まれ、新潟県柏崎市出身。イオンモール勤務を経て、「民間から地方の衰退に取り組めないか」との思いから、2019年に新潟県湯沢町できら星株式会社を創業。「誰もが住みたいまちに住める未来」をビジョンに掲げています。
移住促進を「人を呼ぶ施策」ではなく、「地域の暮らしや仕事をつくること」と捉え、職業紹介・起業支援・不動産開発などを一体的に手がける実践者。

当日の会場は熱気に包まれ、「移住」をテーマに参加者同士が活発に対話を交わしながら学びを深めました。
地域事業者や行政関係者をはじめ、移住やまちづくりに関心のある方など、多様な立場の方々が集い、それぞれの視点から意見を交わす充実した時間となりました。

地域同士で競うのではなく、それぞれの価値をいかす

講演の中で特に印象的だったのは、「自分たちの地域だけが良ければいいのではない」という考え方です。

伊藤さんは、関わる地域を増やしながら「住みたい町をつくる仲間を増やす」ことを理念に活動されています。移住を検討する人にとっては、湯沢が合う人もいれば、糸魚川が合う人もいる。
ある地域が合わなくても、別の地域なら理想の暮らしが見つかるかもしれない。

だからこそ、移住支援は単に「人を集めること」が目的ではなく、その人に合った地域との出会いをつくることが大切だというお話がありました。

地域同士が、それぞれの個性や魅力を理解しながら、地域全体として選択肢を広げていく。その考え方は、移住施策だけでなく地域づくり全体にも通じる視点だと感じました。

外から見た価値と、地域にいる私たちの価値

伊藤さんはこれまで数多くの移住相談に携わり、新潟県内各地の地域や移住希望者の声と向き合ってきました。
その経験を通して実感しているのは、地域に暮らす人にとって当たり前の日常や風景、文化が、移住を検討する人にとっては大きな魅力として映ることが少なくないということです。

一方で、地域の人ほどその価値に気づいておらず、「何もないまちだから」と控えめに語ってしまう場面も多いといいます。
だからこそ大切なのは、新しい魅力をつくり出すことではなく、地域にすでにある価値を見つめ直し、それを自分たちの言葉で伝えていくこと。移住促進は、地域の魅力を「発信すること」だけではなく、「地域自身がその価値を再認識すること」から始まる。そんなメッセージが参加者の心に強く響きました。

自然環境や食文化、人との距離感、子育て環境、働き方の選択肢など、自分たちでは気づきにくい価値は地域の中に数多く存在しています。
私たち自身が「何もない」と思っている地域にも、実は誰かにとって魅力的な要素が数多く眠っている。地域の価値を見つめ直し、その魅力を自分たちの言葉で伝えていくことの大切さを、改めて感じる時間となりました。

「移住者を増やす」ではなく「住みたいと思えるまちをつくる」

また、地域の魅力は行政や一部の事業者だけでつくるものではなく、地域に暮らす一人ひとりの関わりによって育まれていくというお話も印象的でした。

移住者を呼ぶこと自体が目的ではなく、「このまちで暮らしてみたい」「この人たちと関わってみたい」と思ってもらえる環境をつくることが大切であり、その積み重ねが結果として地域の魅力につながるという考え方です。

移住者に選ばれるまちとは、特別な制度や補助金があるまちではなく、人とのつながりや暮らしの豊かさを感じられるまちなのかもしれません。

地域の未来は、さまざまな立場の人が対話を重ねてつくりあげていくものだ

後半のグループワークでは、糸魚川にはどんな魅力があるだろう?
「知っているようで知らない糸魚川のこと」といったテーマについて参加者同士で意見交換を行いました。

糸魚川に長く住んでいる方、最近関わり始めた方、それぞれの視点から地域の魅力や可能性について意見が交わされ、普段は気づかない新たな発見も多くありました。

改めて感じたのは、地域の未来は一部の人だけが考えるものではなく、さまざまな立場の人が対話を重ねながらつくっていくものだということです。

学びを行動につなげるきっかけとして

Catalo Labでは、学んで終わりではなく、その学びを次の行動につなげることを大切にしています。

今回も参加者それぞれが、糸魚川の魅力や可能性について考えるきっかけを持ち帰ることができたのではないでしょうか。
アンケートでは、「地元参加者をもっと増やしたいですね」という声も寄せられました。地域の魅力や可能性を改めて見つめ直す機会だからこそ、より多くの地域の皆さまと一緒に学び、対話できる場へと育てていきたいと考えています。

ご参加いただいた皆さま、そして貴重なお話をしていただいた伊藤さん、ありがとうございました。

スタッフの猪又自身も、「地域の魅力は、自分たちが気づいていない視点の中にこそある」ということを改めて実感しました。普段見慣れた景色や当たり前だと思っていることにも、新たな価値や可能性がある。そのことに気づかせていただけた、非常に貴重な時間でした。

これからもCatalo Labは、地域に新たな視点をもたらすゲストを招き、可能性や挑戦、そして共創が生まれるきっかけとなる場を目指していきます!


次回 Catalo Lab 予告】

『共創からはじまる地域ビジネス ー 全国各地での事業立ち上げ経験から見えた、共創ビジネスの秘訣 ー』

6/25(木)Catalo Lab vol.08 では、株式会社ATOMica 事業開発室 室長 兼 拠点経営部 白岩 歩 氏を講師に迎えます。

全国各地の最前線で数々の拠点をゼロから軌道に乗せてきたリアルな実践経験をもとに、「地域資源や多様なヒトを掛け合わせ、持続可能なビジネスを生み出すための秘訣」を徹底的に紐解きます。

イベント詳細▶https://catalolab008.qloba.com

『NewsPicksと考える「地域」の未来ー100冊書店導入を機に紐解く、地域の価値をどう掘り起こすのかー』

7/24(金)Catalo Lab vol.09では、山と本と株式会社 代表取締役 / POTLUCK YAESUプロデューサー/NewsPicks ビジネスプロデューサー 山本 雄生 氏を講師に迎えます。

観光や一次産業の支援・事業化に挑戦する中で掴んだ「現場のリアル」と、新たにNewsPicksとして手掛ける「100冊書店」という切り口を掛け合わせ、地域の価値をどうビジネスとして掘り起こすのか、そのエッセンスを徹底的に紐解きます。

イベント詳細▶https://catalolab009.qloba.com/

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