地域の価値は、まだ眠っている。 NewsPicksと考える「地域」の未来 ーCatalo Lab Vol.09 開催レポート
糸魚川ビジネス共創拠点Cataloでは、経営とまちづくりが交わる実践型オープンゼミ「Catalo Lab」を毎月開催しています。
Catalo Labは、ゲストの話を聞くだけの場ではありません。参加者同士が対話やワークを通じて学びを深め、地域内外で活躍する実践者の視点や経験に触れながら、新たな発見や気づきを持ち帰る時間です。
そして、学んで終わりではなく、「明日、自分に何ができるだろう?」と考え、小さくても具体的な一歩につなげていく。
そんな学びと実践の場として、毎月開催しています。
NewsPicksと考える「地域」の未来

今回のCatalo Lab Vol.09では、NewsPicksのビジネスプロデューサーとして、さまざまな地域プロジェクトに関わる山本さんをゲストにお迎えしました。
今回のテーマは、
「NewsPicksと考える『地域』の未来ー100冊書店導入を機に紐解く、地域にある価値をどのように掘り起こしていくのか⁻」
全国各地を訪れ、地域で生まれているさまざまな取り組みを見てきた山本さん。
講演では、地域経済の可能性や、地域に眠る資源の価値、新しい人や関係性が生まれることで地域がどのように変化していくのかについて、全国各地の事例を交えながらお話しいただきました。
また、今回Cataloに導入された「100冊書店」についても触れながら、これからの地域や「場」のあり方について考える時間となりました。
地域と地域をつなぐ「POTLUCK YAESU」

山本さんがプロデュースに関わる「POTLUCK YAESU」は、東京ミッドタウン八重洲を拠点とした地域経済創発プロジェクトです。「POTLUCK」とは、食べ物などを持ち寄って楽しむパーティーのこと。
POTLUCK YAESUでは、料理ではなく、各地域から人やプロジェクト、そして「Will(意志)」を持ち寄ることを大切にしています。
東京を単なる目的地として捉えるのではなく、さまざまな地域と地域をつなぐハブとして活用する。
地域で活動する人たちが集まり、新しい出会いやプロジェクトが生まれる場所をつくることが、その大きな役割です。
イベントや交流会、アワードなどを通じて、全国各地で活動する地域のプレイヤーを応援し、新しいつながりを生み出しているといいます。「地域を盛り上げるために、何か特別なものを一からつくらなければならない」というわけではありません。
すでにある人や活動、地域の想いを持ち寄り、それぞれをつなげていく。
その中から、新しい動きが生まれていくのだと感じました。
地域には「その土地にしかない価値」がある
これからの地域経済を考える上で、山本さんが大切なキーワードとして挙げたのが、「場所に根ざした価値」です。観光や食、一次産業など、地域にはその土地ならではの歴史や自然、文化、人の営みがあります。
しかし、地域に住んでいると、それらを当たり前のものとして捉えてしまい、その価値に気づきにくいこともあります。
一方で、地域の外から訪れる人にとっては、それが「わざわざ訪れたい理由」になることがあります。
例えば、美しい景色。
そこで暮らす人にとっては毎日見る当たり前の風景でも、訪れた人にとっては特別な体験になるかもしれません。
そこに地域の歴史や文化、人の想いが加わることで、単なる「景色」以上の価値が生まれます。
大切なのは、新しいものをつくることだけではありません。
すでに地域にあるものを、改めて見つめ直し、その価値を掘り起こすこと。
これからの地域づくりにおいて、とても重要な視点なのだと感じました。
「見えない価値」に、どう価格をつける?
講演の中で印象的だった事例の一つが、佐賀県嬉野市で取り組まれている「ティーツーリズム」です。
嬉野には、長い歴史を持つお茶文化があります。
これまでは「お茶そのもの」を商品として販売することが中心でしたが、そこに茶畑の景色や生産者との交流、地域の歴史やストーリーを組み合わせることで、新しい体験として価値を生み出してきました。
提供しているのは、単なる一杯のお茶ではありません。
茶農家が自らお茶を淹れ、その土地の景色を眺めながら、地域の歴史や文化に触れる。
その「体験全体」に価値をつけることで、地域の産業の価値を高めていったのです。
ここで重要なのは、「自分たちの価値を、自分たちで考える」ということでした。
最初から正解があるわけではありません。
地域の人たちが話し合い、小さく試しながら、「自分たちが提供しているものには、どんな価値があるのか」を考えていく。
その積み重ねが、地域への自信や新しい挑戦につながっていくのだと思います。
固定化された関係性を、少しだけ変えてみる

地域の可能性を広げるためには、新しい関係性をつくることも重要です。地域の中でいつも同じ人が集まり、同じような話をしているだけでは、新しい発想や取り組みは生まれにくいものです。
だからこそ、
・普段出会わない人と話してみる。
・異なる業種の人と関わってみる。
・地域の外の人の視点を取り入れてみる。
そうした小さな変化が、新しいアイデアや挑戦につながっていきます。
Cataloも、まさにそんな「いつもとは違う人と出会える場所」でありたいと思っています。
仕事をするために訪れた人が、偶然隣にいた人と会話をする。
イベントに参加したことをきっかけに、新しい人とつながる。
何気ない会話の中から、「それなら、この人に相談してみたら?」という新しい関係が生まれる。
一人では生まれなかったアイデアも、誰かと出会うことで形になっていくかもしれません。
地域に必要なのは、そんな「少し関係性が混ざり合う場所」なのかもしれません。
100冊書店がつくる「偶然の出会い」

今回のCatalo Labでは、新しく導入された「100冊書店」についても紹介されました。
インターネットでは、自分が欲しいと思っている本を簡単に探すことができます。
しかし、本屋には、思いがけない一冊との出会いがあります。
目的もなく本棚を眺めていたときに、ふと気になった本を手に取る。
その一冊が、新しい考え方や、次の挑戦のきっかけになることもあります。
人との出会いと同じように、本との出会いにも偶然があります。
Cataloの100冊書店も、そんな偶然の出会いから、新しい学びや行動が生まれる場所になればと思っています。
地域の未来は、小さな挑戦から生まれる
今回のお話を通して感じたのは、地域の未来は、特別な誰かだけがつくるものではないということです。
地域にある歴史や文化、人、自然や景色、すでにある産業や昔から続いてきた商い。
それらを改めて見つめ直し、「これにはどんな価値があるだろう?」と考えてみる。
そして、小さくても実際に試してみる。地域の中だけで考えるのではなく、違う分野の人や地域の外の人と出会う。
そうした小さな挑戦や新しい関係性の積み重ねが、これまでになかった地域の価値を生み出していくのではないでしょうか。
Cataloから、新しい「何か」が生まれる場所へ
今回のCatalo Labでスタッフ猪又が特に印象に残ったのは、
「地域にある価値は、まだ価値として見つけられていないだけかもしれない」ということです。
糸魚川にも、私たちが当たり前だと思っている景色や歴史、人、文化があります。
もしかすると、それらを違う視点から見たり、違う人と組み合わせたりすることで、新しい価値が生まれるかもしれません。
そして、そのためには、一人で考えるだけではなく、誰かと話してみることも大切です。
「ちょっと相談してみよう」・「この人と話してみよう」・「ここから何か始められるかもしれない」
そんな小さなきっかけから、新しい視点やアイデアが生まれ、次の挑戦につながっていく。

Cataloも、人と人、人と地域、そして、新しい挑戦をつなぐ場としてこれからもさまざまなきっかけを生み出していきます。